心臓移植とは

10.心臓移植適応者の登録手順

 心不全患者の治療にあたっている医師は、その心臓病が心臓移植の適応であると判断したら、循環器病の専門医師によって構成されている大阪大学心臓移植適応検討会などの心臓移植の適応を評価する検討会に、患者さんがレシピエントとして適当であるか否かを検討するように依頼します。
 当院での検討会の連絡先は以下の通りです。もし、心不全が強くて心臓移植が必要だといわれた方は、主治医の先生を通じて連絡して下さい。

 この検討会で心移植の適応であると判断された場合、主治医といっしょに移植の専門医師が患者さんに心臓移植について説明をします。患者さんが移植に同意されますと、さらに上の評価委員会である日本循環器学会心臓移植委員会に評価を依頼し、その委員会で心臓移植の適応であると判定された時には、もう一度、心臓移植について移植の専門医師が説明した上で、心臓移植についてよく理解した上で、患者さん自身が心臓移植を受けることに同意するかどうかを確認し(インフォームド・コンセントをとるといいます)、心臓移植の承諾書を作成します。
 その上で、レシピエントの選択に必要な血液型や体重などのデータを日本臓器移植ネットワークに登録します。この時点で、患者さんはレシピエント候補となります。尚、登録するためには、初回登録時に3万円、毎年の更新時に5000円を日本臓器移植ネットワークに振り込む必要があります。
 レシピエント候補として登録しておくと、ドナーが現れた時、その患者さんに適合しているかどうかをすぐに調べることができることは既に述べたとおりです。

待機期間

 自分に適したドナーが現れるまでの期間は、何人の患者さんが待っているかによってもちがうし、血液型や体格によってちがいます。先に述べたように、患者さんの状態が非常に移植を急ぐ状態(緊急度1)にある場合は、例えごく最近にレシピエントとして登録したとしても、すぐに心臓移植を受けることができることになります。逆に他のレシピエントの方が適していると判断された場合には、次のドナーを待たなければなりません。焦らずに待たなければなりませんが、その間にいろいろ勉強して心臓移植について十分に理解を深めることができると思います。
 1999年2月に心臓移植が我が国で再開して以来27人の方が心臓移植を受けられましたが、その待機期間はアメリカなどと比べて長くいのが特徴です。