心臓移植とは

3.心不全

 心不全とは、心臓の機能が低下し、充分な血液を全身や肺に送り出すことができなくなり、全身の臓器や細胞に十分な酸素が供給されなくなって、各臓器や細胞の機能が低下する状態をいいます。この状態がさらに進行すると、その人は死に至ります。

 
 心不全は、虚血性心疾患、弁膜症や先天性心疾患などのために心筋が急性に、または慢性に障害されて変性をおこし、心臓本来の機能が発揮できなくなると起こります。これら以外にも、原因はわかっていませんが、特発性心筋症と呼ばれる病気があり、この病気の場合、徐々に心筋が線維におきかわって心機能が低下して心不全に陥ります。

左心室の機能障害が強い時の症状

1) 動悸(ドキドキすること)、息切れがしたり、2) 仰向けに寝れず、座っている方が息が楽になったり(起座呼吸)、3) 頭がぼーっとしたり、4) むくんだり(浮腫)、5)尿量が減ったり(乏尿)します。

右心室の機能障害が強い時の症状

1) 頚や顔面の静脈が怒脹したり、2) 右わき腹が重く感じたり(肝うっ血)、3) ひどくなると黄疸(眼や皮膚が黄色くなること)が出たりします。